小学生にとって、これからの教育とは? <やさしさと強さをもった子どもを育てるための年齢別アドバイス vol.3>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

人への優しさと自分を守る強さを持った子どもに育てるための大事な考え方(理論)とすぐにご家庭でも使えるアドバイスをセットにし、「子どもとの関わり方(発達)」をテーマにQ&Aの形で一般社団法人あそびの先生協会 代表理事 宝田ひか里さんに教えていただくシリーズ。1回目・乳児編2回目・幼児編に続く最終回。今回は、小学生編です。

最終回の今回は、これまでのまとめとしてこれからの教育を考える時のキーワード
・これからの子どもたちに必要な力は?
・対話力を育むために家庭の中でできることは?
について解説し、
・小学校での教育がどう変化してきているか?
・それらを意識し日常どんな子どもとどんな関わり方をしていけばよいか?
について、ご紹介いただきます。

 

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現在の教育トレンドをおさえておきましょう

教育とは、その時々の時代背景によってトレンドが変わってきます。流行りの習い事や親が子どもに求める姿も時代と共に変化しますが、「学習指導要領」といい、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準も変化します。約10年に一度、改訂されます。「2020年教育改革」というワードを聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、ちょうど今年がその改定の年になります。

子どもたちが生きてく社会が変化していくのに対して、教育も同じように変化していく必要があるため、時代によってより時代にあったものへと見直しがされています。今、社会はものすごいスピードで変化していっています。

PCで勉強する女の子

スマートフォンをはじめて持ったのは何年前でしょう?
きっと、この10年のことではないでしょうか? 今、日常で皆さんがよく使っているSNSや動画サイトやLINEなどの連絡ツールも、10年前には無いことが日常でした。人生100年時代といわれ、私たちの健康寿命も延び、AIが進化し、SNSが活用され、YouTuberのように10年前は多くの人が知らない仕事や働き方が認知されるようになりました。

今、10才の子が20才になる10年後。今、0才の子が20才になる20年後。きっと、今は想像もつかない新たな便利なツールやサービスと共に、新たな働き方や生き方ができています。教育を考える時、大人が子どもを育てていく中で、まずはじめの前提として意識してほしいことがあります。それは、私たちの時代、学校や親にしてもらって良かったことが必ずしも同じように良いことばかりとは限らないということ。どうしたらいいかと迷ったら、10年後20年後の社会をイメージしてみてほしいのです。

 

Q:これからの子どもたちに必要な力は?

A:対話する力を養う。

先に説明しましたように、2020年教育改革の中のテーマとなっているのが、主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)という考え方です。ポイントは「対話力」です。教師からの一方的な授業を聞くスタイルではなく、生徒同士で意見や考えを聞き、周りの人たちと共に考えることで、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業に変化していっています。

スマートフォンやパソコンで何でもすぐに検索できる時代です。正解を知る、暗記することよりも、そこから何を感じ、どうすればよいか総合的に考え、自分なりの策を出せる力がこれから求められます。そのために、「自分の考えを伝える練習」「相手の話を聞く練習」をすること。これが対話力を高めるために必要です。

Q:対話力を育むために家庭の中でできることは?

A:同じテーマを元に対話の時間をもってみましょう。

テーマは難しい話題でなくて構いません。例えば、「雨ばかりだね。雨降りの日は好き?」とか「最近よく見るアニメ。あのアニメの中で好きな登場人物は誰?」など。ここでのポイントは3つ。否定しないこと、正解を無理に出さなくても良いということ、大人も同じように自分の考えを伝えること。子どもにだけ質問し、正解を教えようとする私たちの時代の先生になろうとしないでください。「お母さんは、雨は嫌い。だってね…」「お父さんはそのアニメ見てないけど、イラストを見るだけだとこの登場人物がかっこいいと思うな」と対話をすること。大人の方が自分の考えを話すことに慣れていないので、難しいかもしれません。

でも、大人にもこれから必要な力です。練習だと思ってぜひやってみてください。これから、今私たちが直面しているコロナの問題に加え、子どもたちは、環境問題など前例や正解のない問題について向き合っていかなくてはなりません。

料理をする子どもとママ

今回3回のテーマにさせていただいたように、未来を担う子どもたちには、受け身だけではなく、失敗しても立ち直る「強さ」と多様な価値観や生き方をひとつの正解だけを押し付けるのではなく、自分とは違う他の考えも想像し、必要に応じて手を差し伸べられる「やさしさ」をもった大人に育ってほしいですね。

そのためにも、たっぷり自分を満たし、大好きな遊びを通して、1人でじっくりでも、友だちと一緒でも、楽しい!と思える具体的な経験づくりの環境を整えることを大人も同じように思いっきり楽しみながら出来たらいいなと思っています。

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宝田 ひか里(たからだ ひかり)

元幼稚園教諭。息子3才・娘0才の時にオランダの幼児教育法ピラミーデと出会い、ティーチャー資格取得。そのわかり易さと理論の奥深さに魅了され、講座の構築と自身の子育てに取り入れ7年目。子どもと育ち総合研究監修の元、「あそびの先生」の講座・プログラムを構築し、2016年一般社団法人を設立。

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