子供と大人が生み出す幸せのアンサンブル <音楽を通して自分らしく幸せに生きる子供の育て方Vol.4>

鍵盤ハーモニカの練習をする子供と両親 【コラム】暮らしをワンランクアップ

新しい学年が始まって1週間、10日。

進級して少しお兄さん、お姉さんの気分を伴いながら、お友達や家族との関わりも少しずつ変化しているかもしれませんね。

音楽は生活に潤いを与え、人生を豊かにします。
その音楽を通して、自分らしく幸せに生きる子供の育て方を4回シリーズでピアニストの楠木由希子さんにお伺いし、お伝えしていきます。

初回は「音楽での自己表現」について自己表現とは何かについてお話をいただき、第2回目では、「音楽で自己表現できる子供になるとどうなるのか?」というタイトルで音楽を通じて子供が自己表現し、自分を受け入れることの大切さをお伝えしました。そして第3回目で、音楽の中で子供たちは、互いの違いを認め、尊重し、活かし合い、共に発展していく関係を築いていけるようになっていくお話をしました。

いよいよ最終回。今回は、子供が大人と接していく中で生まれる「子供と大人が生み出す幸せのアンサンブル」をテーマにお届けします。

音楽を通して自分らしく幸せに生きる子供の育て方シリーズ

 

目次

自己表現がもたらす幸せのアンサンブル

子供と大人と言えば、まず一番身近であるのが家庭・親子です。子供はまず、家庭環境・親子関係から人間関係を学びます。

大切な我が子を育てていく上で、こう育てたい、こう育ってほしい、というお母さまの理想や願いはもちろん当然のごとくあると思います。

しかし、その想いや理想があまりにも強すぎると無意識のうちに子供を親の理想の枠にはめてしまうことがあります。子供がまだ幼い頃の価値観は、親の価値観がそのまま反映されていきます。

そして、やがて家から一歩、二歩と外に出るようになると、子供は様々な人々と関わる機会が増えていき、自分とは異なる価値観を持つ人もいることに気付きはじめます。

草むらで遊ぶ女の子2人

幼い頃から自分の考えや、感じ方、価値観を親に認められ尊重される経験をした子供は、自分に自信を持つようになっていきます。

そのように育った子供は、親離れの年頃になっても親の価値観を認め尊重できるようになっていきます。親も子供も一人の人間として自立して、それぞれが自分の人生を、自分で決断し、自分で舵を切り、自分らしく生きていくことができるようになるのです。
このことは、家庭内の親子間に限ったことではありません。夫婦間、兄弟姉妹間でも同じことが言えます。

 

子供の自己表現の力が親子関係に左右する

そうは言っても、子供が自立を始めると、親も子供の考えていることが分からなくなり不安になることもあります。
そんな時期はたいてい子供も自分の考えや感情を親に伝えることに不安を覚えているものです。

しかし、自己表現の力を十分に育てることが出来た子供は、それがその時期特有の不安であったり苛立ちであったりしても、自分の感情をしっかり表現することができるようになっています。

その結果、親と子供はお互いが感じていることを伝え、理解し合うということが出来るようになります。

もちろん親子のコミュニケーションは楽なことばかりではありませんが、子供の自立に際して自己表現の力がどれだけ親子関係をより良いものにしていくか十分にお分かりいただけると思います。

草原のパパと息子

 

自己表現を通して自分自身も相手も受け入れる

家族という一番身近で小さなコミュニティの中で、親も子もひとりひとりが自己表現できると、個々の自分らしさが花開き、互いを尊重し、認め、活かし合いながら家族間で幸せのアンサンブルを奏でていくことができるようになります。

その幸せのハーモニーは家族以外のたくさんの人間関係に広がり影響していきます。

ここまで音楽を通じて話をしてきましたが、自己表現の方法は音楽でも、絵を描くことでも、演劇でも、文章を書くことでも、スポーツでも、何でも良いのです。
私は音楽で自己表現し続けることで救われ、そこから自分自身を受け入れ相手を受け入れることを学びました。
だからこそ、音楽の持つ力や偉大さ、素晴らしい本質に気付くことができたと言っても過言ではありません。

音符と男の子

最後に、私は私自身を救ってくれた音楽を、技術としてだけでなくもっと根幹的な人としての在り方を学ぶ機会として捉えて、3歳から大人まで幅広い年齢の人々に伝えています。

今後も音楽の持つ力や素晴らしさをより多くの人々に伝えていくことで、ひとりひとりが音楽の本質そのものの視点を持ち、自分らしく幸せに生きるお手伝いをしていきたいと思っております。

そして、よりよい社会を形成していく次世代の子供たちが育っていくことを心から願っております。

 

楠木 由希子さん
楠木 由希子
ピアニスト・コンサート企画プロデュース・ピアノ教室主宰
国内外や大使館で演奏活動をし、演奏を高く評価されドイツの新聞紙上に掲載される。ザルツブルグやポーランドを代表とする室内楽と共演。教育活動にも力を入れ、これまでに音楽教室、音楽専門学校、大使館公邸にて1年以上継続して指導した生徒は650人以上に渡る。生命の源であるお母さん達が自分らしく生きることの重要性を感じ、教育系一般社団法人理事として協会設立に参画。「自分らしく生きる愛と平和の世の中を創る」を志に、現在、クラシックを中心とした演奏活動の他にコンサートの企画プロデュース、地域コミュニティを育む音楽プロジェクトを各地で行う。自分らしく輝ける人を育てるピアノ教室を東京都目黒区で主宰。人と地域と音楽をつなぐ、音楽家が住まう集合住宅「音楽のいえ+」を監修。
教室HP http://kusunoki-yukiko.com/

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