わが子の大学受験!入学前にどの位のお金が必要!?【暮らしとお金のヒント】

大学入学前のコスト 暮らしとお金のヒント

教育費の不安については、子どもが小さい頃は漠然としているものの、高校生になり大学受験が近くなると親子ともリアルになってくるものです。子供は学力を意識し、親はお金のことが気になりだすという声を日頃の相談でもよくお聞きします。

文部科学省の「令和元年度学校基本調査」によると、高校卒業生の約54.7%、つまり2人に1人の生徒が大学進学する時代となってきていますので、お子さんが小さいうちから費用に関して把握し、準備しておいた方が良さそうですね。

教育費の中でもまとまったお金がかかる『大学費用』については、他コラム*1や教育費シミュレーション*2を参考になさってください。
*1.教育費をどう準備する? 計画的な貯め方と奨学金活用
*2.選んで計算30秒!教育費用や必要な貯蓄金額の目安にできる「教育費シミュレーター」登場!

今回は、意外に見落としがちな『大学入学前にかかるお金』についてチェックしておきましょう。
コロナ渦で収入の先行きが不安定な時期なので、しっかりと資金計画をしておいてください。

 

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1. 意外にかかる!『大学入学前にかかるお金』について

高校3年生頃になると家庭もピリピリモードとなる中、受験校が定まるまでは、費用についてもはっきりしない時期が続くかと思います。ただ、どんな費用にいくら位かかるかを把握しておくと親としても安心できるのではないでしょうか。

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大学への入学までにかかる可能性のある費用として、主なものをピックアップいたしました。
塾に通うかどうか、自宅外通学をするかどうかによって、かかる費用は随分変わってきますので、進路と共に親子で話し合っていく必要があるかと思います。

それぞれに詳細について触れていきましょう。

<主にかかる費用>
・大学受験のための塾費用
・受験費用
・入学金・前期納付金
・受験の際の交通費・宿泊費
・一人暮らしの準備費

◆大学受験のための塾費用

以下表 は、文部科学省による高校生の平均的な塾費用の年間額となります。しかし塾を利用していない生徒も含めた平均値となっているため、実際に通わせた場合はこれより金額が高くなります。

高校生の平均的な塾費用

塾に通うかどうかは人によって違いますし、高校のどの段階から通うか、また個別指導か集団指導塾かどうか、また受講科目数によってかかる費用もまちまちです。

ある個別指導塾による学費の一例をあげてみます。中学生に比べて高校生の場合には授業料単価は上がり、1科目であれば2万円前後、2科目であれば4万円前後が毎月かかる塾も多いでしょう。ここに
教材費やテスト代などがプラスされる月が出てきます。

個別指導塾による学費の一例

さらに毎月の授業料以外に費用がかさむのは夏・冬期講習です。ある一例ではありますが、集団指導塾なら年間50万円、個別指導塾などの場合には年間60万円~100万円にいたる場合もあるようです。
高校3年生で塾に通われるのであれば、夏・冬期講習費用も予算に入れておいた方が良さそうです。

また最近の傾向では、WEB配信で授業を安く視聴できるコースなども出ています。これから検討される方は事前にリサーチしてみましょう。

◆受験の費用はどのくらいかかる?

受験にかかる費用は進路によって異なりますが、国公立大学の場合はセンター試験と2次試験の費用、私立大学の場合は一般入試(推薦・AOも含む)またはセンター試験利用入試の費用となります。

河合塾の大学入試情報サイトKei-Netの「2019年度 私立大学・短期大学受験料一覧」によると、一般の私立大学の受験料は1校あたり3万5000円ほど。また、ベネッセマナビジョン保護者版によると、1人あたり3校から4校受験しているようです。仮に4校受験すると考えると14万円程度はかかる計算になります。そのため受験費用は受ける学校数によっても違いますが、平均的な受験数を想定すると15万円前後は用意しておいた方が良さそうです。

大学・学部ごとの選抜試験でも、試験日程の調整をしつつ5~6校、多い人はそれ以上受験することも珍しくありません。結果として、センター利用試験と一般選抜試験などを合わせて、30万円以上の受験料になってしまうようです。

また、国公立を目指す場合などでは、第一希望の大学の試験日が3月中旬以降と遅くなるケースもあります。滑り止めの私立を受験して合格したとしても、第一希望の大学の合否がわかるまでのタイムラグが調整できなければ、浪人を避けるためには滑り止めの大学に入学申込金の支払いをしておく必要があります。

国立大学と私立大学の初年度納付金の平均額

出典:日本政策金融公庫 令和元年度「教育費負担の実態調査結果」

上記表は日本政策金融公庫の令和元年度「教育費負担の実態調査結果」で、滑り止めの入学納付金もかかることがわかり、国公立を目指される方ほどその金額が11万円前後と大きいです。

平均15万円程度の受験費用だけでなく、滑り止めの入学納付を合計すると、平均40万円程度はかかると思っておいた方が良さそうです。

〇複数出願や地方受験した場合の割引や免除制度

何校受けたから安心できるというものではありませんが、念のために平均受験数よりも多く受験する人もいることでしょう。そういった場合は、一般入試の割引制度を活用するといいでしょう。

たとえば、
・インターネットで出願すると割引
・一般入試で複数学科併願すると2学科目から受験料半額
・一般入試とセンター利用入試を併願するとセンター利用入試の検定料が免除
といった制度があります。

また、遠方の大学を受験する場合には、大学によっては地元の会場で受験できる地方受験を実施している大学や学部もあります。気になる大学などが見つかった場合には、受験する大学のHP確認や問い合わせをしてみましょう。

◆初年度納付金はどのくらい?

初年度納付金には、大きくわけて入学金・施設設備費・授業料があります(国立は入学金と授業料のみ)。入学金と施設設備費はどちらも20万円から30万円くらいが目安です。授業料は進学する学部によって金額に幅があります。どちらにしても、合わせて100万円程度は準備しておいた方が良いでしょう。

以下は、国立大学と私立大学の初年度納付金の平均額です。

入学費用

※1 文部科学省令による標準額。ただし国立大の法人化により、国立大の学費も大学間で差がある。
※2 文部科学省「平成29年度学生納付金調査」。公立大昼間部の平均額。
※3 文部科学省「平成28年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」。私立大昼間部の平均額。
※4 施設費、実習費、諸会費などを徴収される場合がある。

めでたく合格が決まると、進学する大学に入学の手続きをします。入学手続きは、合格発表後10日から2週間程度の期日までに行う必要があります。期日までに初年度納付金を支払わないと合格が取り消されてしまいますので、期日はしっかりと確認しておきましょう。

授業料は一括で支払う場合もあれば、前期と後期、またはそれ以外の回数に分けて納入できる場合もあります。授業料の納入回数は大学により異なりますので、事前に確認しておかないと捻出するのが厳しくなりそうです。

◆受験の際の交通費・宿泊費

受験するのは近くの大学だけでなく、受験の際に宿泊を伴うこともあるでしょう。遠方であれば前日からの宿泊が必要になりまし、国公立の場合には試験が2日にわたるため、前泊を含めて最低2泊は必要となります。地方から首都圏や関西圏などの大学を数校まとめて受験する場合などは、数日から1週間くらい滞在するケースもあります。そのため、交通費と宿泊費で5万円、10万円とかかるようなケースはよくあり、人によってはもっとかかることもあります。

中には一人では心配だからと保護者が同伴するケースもあるそうです。親子での新幹線や飛行機代にホテルの連泊代などがかかる場合には、軽く20万円を超えてしまうそうです。

◆一人暮らし準備費用

<引っ越し代>
引っ越しにかかる費用は、荷物の量と距離などで変わります。一人暮らし用の引っ越しプランでは一般的に3万円~10万円程度がかかります。進学を考えている学校までの距離などを想定しながらインターネットなどで調べてみましょう。

<家電&家具代>
必要な家電や勉強机や本棚、食器棚、ベッドなどに加えて布団などの寝具も含みます。現在の家具は自宅に残し全て購入する人もいれば、自宅から持ち込む人もいるようです。家電はすべて購入するケースが多いようです。

<敷金・礼金・仲介手数料>
部屋を探す際に仲介する不動産業者に支払う手数料です。

日本政策金融公庫によると、自宅外通学を始めるための費用は、平均約39万円です。中には50万円、100万円とかかるケースもあるため、自宅外通学の選択肢を考えた場合には、学校への納付金以外に一人暮らし関連の費用がかかることを把握しておきましょう。

自宅外通学を始めるための費用

出典:日本政策金融公庫 令和元年度「教育費負担の実態調査結果」~

2. 入学前の費用において注意しておきたいこと

-学資保険などまとまった教育費準備がいつ手元に入るのかを確認しておくこと
小さい時から学資保険などで準備している場合でも、受け取りのタイミングが入学手続き締め切りの後にならないようにしておきたいですね。また、併願のために2校分の初年度納付金の準備が難しい場合は、日本政策金融公庫の教育一般貸付を利用するのもいいでしょう。24時間365日インターネットで申し込むことができます。振り込みまでには20日程度かかりますので、余裕をもって申し込みをしておいた方がいいでしょう。

-志望校への初年度納付金の支払いタイミングに注意!

頭を悩ませるのが、第一志望校の合格発表の前に併願校の入学手続きの締め切りがある場合です。締め切りまでに初年度納付金を納めなくてはならないため、第一志望の締め切りにお金が足りないということになってしまっては大変です。初年度納付金を支払った併願校に入学辞退をすることはできますが、入学金は返金されません。授業料や施設設備費などは返金されますが、そのタイミングが第一志望の締め切りに間に合うかどうかはわかりません。ですから、複数の大学を受験するときは、入学手続きが重なることも想定して準備しておくようにしましょう。

-奨学金に頼る場合でも入学前の費用は準備しておくこと!

まとまった大学費用をご家庭から捻出するのではなく、国の奨学金(日本学生支援機構)を活用されるケースも多いでしょう。今や大学生の2.67人に1人が利用しています。
しかし、あくまでも奨学金は入学してからお金が受け取れるもので、今回の入学前の費用には対応することができないことを把握しておきましょう。

3. 教育費について考える際の3つのポイント

1.大学費用をどう賄うのかを早めに決めておきましょう。受験するのが国立か私立か、文系か理系かによっても大学費用は違います。また、親が捻出するのか奨学金に頼るのかなどを早めに明確にしておいた方が良いですね。もし奨学金に頼るのであれば、前もって学校独自の制度などをリサーチする必要があります。場合によっては、目指すべき受験校が変る場合もあります。

2.入学前の費用は自助努力で貯めておきたいところです。奨学金を活用されるご家庭でも、しっかりと準備しておきましょう。

3.試験スケジュールが9月、10月になるケースも想定して、お金の準備は早めにしておいた方が良いでしょう。

今回のコラムでは、教育費について考える際にあまり触れられない入学前の費用についてお伝えしてきました。初年度大学費用は教育費として考えられるものの、塾費用、受験費用、受験する際の交通費や旅費、自宅から通えない場合の一人暮らしのための準備費用など、個々の金額は少なくても、合わせると大きく家計に負担になってくるものです。

目指す大学はお子さんの学力によっても、また将来に何をしたいかによっても変化していくもので、かかる費用も随時変わっていきます。入学前の費用や4年間の学費が支払っていけるかどうか、キャッシュフロー表といってお金の将来に向けての健康診断をすることをおススメいたします。

また中には、浪人、もしくは大学後に大学院などへ行く、といったケースもあるかもしれません。教育費においても親がどこまで負担できるのかも明確にしておいた方がよいかと思います。全国にファイナンシャルプランナーがいますので、ぜひ相談してみてください。

 

水野圭子
水野圭子
金融機関を経て2010年にFPとして独立。マネーセミナーや企業研修講師として、賢いお金の使い方や貯め方、増やし方のノウハウを延べ3000人以上にお伝えしている。
最近ではキャリアとライフプラン、金銭教育をミックスさせた女性従業員向け研修も増加傾向ある。
FP相談歴は10年以上。女性が経済力をつけて人生の選択肢がふえることを願い、去年からはネットラジオでの番組にて毎週マネー情報を毎週配信。

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