姿勢をよくすることから始めましょう<自分でできるボディメンテナンス vol.1>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

ボディメンテナンスと聞くと、なんだか敷居が高い印象があるかもしれません。特別なことをしないといけないの? 専門のジムなどに通わなければできないのでは? などのイメージを持つ方も多いかもしれませんね。

この記事から3回にわたり、マッサージセラピストの藤田朱美さんに、少し意識することで日常的に取り入れることができるボディメンテナンスを教えていただきます。

第1回目のテーマは、「姿勢」です。

ハンドマッサージでコミュニケーションを。癒しの効果を感じて<自分でできるボディメンテナンス vol.2>

呼吸を意識し、心と体を健康に<自分でできるボディメンテナンス vol.3>

 

目次

姿勢が悪いと、どうなる?

「姿勢」という言葉を聞くだけで、なんだか背筋が伸びてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ご自身の事を姿勢が悪いと思われている方は多いかも知れません。姿勢を整えるととてもいい効果がたくさんあります。私のサロンにいらっしゃるクライアントさんには、「背中が凝って痛いんですよね。姿勢が悪いから」と言われる方も少なくありません。実は、姿勢を整えるととてもいい効果がたくさんあるのですよ。

現代人の姿勢は、肩甲骨が外に離れて肩が挙がり、巻き肩、猫背になっている傾向にあります。昔に比べてパソコン作業やスマホでの検索、ゲームなどをしている時間が長く、前かがみに縮こまっていることが多いのです。特にお仕事でデスクワークをされている方は、お仕事をしていない時間でも電車の移動やスキマ時間も常にスマホを見ているので、より姿勢が前かがみになってしまうのです。

この状態は、お腹の力が抜けていて、内臓がつぶされ、胸が狭くなり、呼吸が浅くなっています。お腹に力が入っていない状態ですので、もちろんお腹が出てきます。内蔵が潰されているので、消化器官も自由に十分な働きができずに胃の調子が悪くなったり便秘状態になったり。腰や背中は引っ張られて、腰痛や背中の凝りの原因になります。

ストレッチをする女性

 

姿勢を整えると得られる効果は?

では、姿勢を整えると、どのような良い効果があるのかを見ていきましょう。

①見た目の美しさで好印象
やはりいい姿勢ですと、見ていて美しいものです。バレリーナや剣道などの武道をする方など、姿勢がいい方はとてもすがすがしい感じがします。女性の美しさは、首に現れると言われます。猫背になると首が前に出てきて、せっかくの女性らしい首が短くなるので、たおやかな美しさを失いがちになり、ちょっと力んだ感じに見えてしまいます。

また、背筋を伸ばすと胸のトップバストの位置も上に上がりますので、バストアップの効果にもなります。女性だけでなく、男女を問わず、胸を張って姿勢がいいと自信と余裕を感じますので、第一印象が変わってきます。営業などで人と接する方は、是非、姿勢にも気をつけて見られるとより良い結果が得られるかも知れないですね。

②声が出しやすくなる
声のトーンも、その方の印象を変えるものになります。胸が縮こまっていると、声が出しづらく、自信なさげに聞こえたり、相手も聞こえづらくなることで良いコミュニケーションが取れない可能性も考えられます。人前で歌を歌ったり、何かプレゼンテーションをするとき、面接などでも、いい姿勢ですと、伝えやすいいい声がでます。より成功する要素にもなります。

③内蔵の働きが良くなる
先に書いた通り、お腹が潰されていると内蔵の働きも悪くなりがちです。特に座り姿勢では、腹筋や背筋を使いお腹を立てるようにして、それぞれの内蔵の器官のスペースをとり働きやすくしてあげましょう。

④芯ができる
背筋を通すということは、お腹の少し下にある丹田と呼ばれる体の中心部がどっしりとした状態、いわゆる「腹がすわる」という感覚です。腹がすわるという言葉自体は「覚悟が決まっている」という意味ではあるのですが、それを体感するのはお腹を締めて、体幹がしっかりと整っている状態です。腹を据えて、芯ができると、しなやかさとぶれない強さが出てくると思います。

⑤自律神経が安定する
姿勢が悪いと、胸が縮み浅い呼吸になりがちです。呼吸が浅いということは、自律神経の緊張状態の交感神経優位になってしまうのです。交感神経優位になるということは、常に危険に対して敏感になり、リラックスしづらい状態になるということです。交感神経優位になると血圧と血糖値も上がります。消化器官も消化液の分泌を抑え、蠕動運動も抑えられて、内蔵の働きは弱くなります。悪い姿勢で内蔵が潰されているにもかかわらず、中からも働きにくい状態です。

姿勢を正し、吐く呼吸を少し長めにしてみて(できれば腹式呼吸をしてみると)、普段、交感神経優位になりがちな自律神経が副交感神経優位にスイッチされて、リラックスしやすくなります。副交感神経が優位になることで、血管が広がり血流も良くなります。心も安定するので、怒りを抑えやすく、平和な気持ちになりやすいのです。ヨガなどで先に呼吸を調整するのは副交感神経が優位にしてリラックスしながら体に意識を向けて行くためでもあります。

 

姿勢を良くする方法

ストレッチをする女性

肝心な、どうやって姿勢を良くするか? についてです。

姿勢が悪いことに気付いたら、こまめに直していくことが大事です。無意識下ではなかなか改善するのは難しいかと思いますので、気付いたときに姿勢をよくするという事を続けて習慣化できたらいいですね。

座ったままでも、立った姿勢でもいいのですが、まずは、肩の力を抜きましょう。息を吸いながら、両肩を耳に近づけるようにしていかり肩を作り、ふっと息を吐いて両肩をストン!と落とします。次に、息を吸いながら両側の肩甲骨を中央に集め、息をゆっくり吐きながら自然な位置に戻しつつ、下腹を締めてみましょう。

ストレッチなども、とても効果的です。ゆっくりとした呼吸でストレッチをするだけでも副交感神経が優位になり、とても気持ちも安定してきたりします。ご自宅にストレッチポールなどがあれば、10〜15分その上に寝てみるのもいい方法でしょう。もちろん、マッサージセラピストとしてのオススメは定期的にマッサージをすることです。前傾姿勢で凝り固まった筋肉をほぐし、緩めていくことは姿勢の調整にはとても有効だと言えるでしょう。

最近はリモートワークでご自宅のワークスペースが不十分な中でのお仕事をされている方も多いのではないでしょうか。まずはパソコン作業をするのに安定した姿勢が取れる場所を確保されることをおすすめします。4 月になり新年度も始まったことで新たなチャレンジをされている方もいらっしゃるかもしれません。背筋を伸ばして、いい姿勢で過ごしてみませんか? きっと素敵なことがたくさんやって来ると思います。

藤田 朱美藤田 朱美(ふじた あけみ)
一般社団法人スウェディッシュ・ディープティシューセラピー協会代表理事FLOWボディセラピースクール代表Body Therapy NY*FLOW*・オーナーセラピストマッサージセラピスト/講師/瞑想指導者/ラジオパーソナリティ米国NYのマッサージセラピーのカレッジを卒業後、マンハッタンの複数のサロンのトップセラピストとなる。8年のNY滞在後帰国。銀座にボディセラピーNYフロウとフロウボディーセラピースクールを開業。リラクゼーションを超えた本格的セラピーを提供し多くのファンを持つ。解剖学的手技を学びに全国からセラピストが訪れる。瞑想指導者としても瞑想会やリトリートを開催。ゆめのたね放送局土曜日朝9時「いまここからだラジオ」パーソナリティ。
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