生活スタイルの変わる春は、家計見直しのチャンス!!【暮らしとお金のヒント】

会計支出 暮らしとお金のヒント

4月といえば「新生活」や「新社会人」という言葉が思い浮かびます。

新年度は人事異動や進学などを契機に、家族の誰かが家を出る、そんなご家庭もあるのではないでしょうか。家族構成が変われば生活スタイルも変わります。当然ながら、家計支出にも影響があることでしょう。

そこで今回は、生活スタイルの変化を見据えて、今のうちに見直しておきたい家計支出について、生命保険や光熱費など費目別にポイントをまとめてみました。

自動車保険の特約など、見落としがちな出費もあります。ひとつひとつは小さな家計改善であっても積もり積もれば大きな違いに……。できるところから実践していってくださいね。

目次

同居する家族の増減で変わる生活費

単身赴任や大学進学などで同居家族が減る。今年、赤ちゃんが生まれて家族が増えた!
そうしたご家庭で生活費が変わるのは、ある意味当たり前です。実際には、同居家族の人数に変わりがなくても、生活スタイルひいては生活費が変わることがあります。

たとえば、お子様が土日も部活動で家を留守にするようになる、妻がパート勤務をはじめる、夫が本社勤務になり通勤時間や残業時間が大幅に伸びる、夫婦ともにリモートワークで家族全員が昼間から家にいるようになる、など、家で過ごす時間の変化に伴う家計収支の増減が挙げられます。

生活スタイルが変わりやすい春は、家計見直しの好機でもあるのです。
ただ節約というと、食費や日用品代など身近な出費から手掛ける人もいるようなのですが、やみくもな家計の見直しは続きません。すぐにリバウンドが起きて元の状態になりがちです。

家計支出のどのあたりから見直せばよいか?
それは、変動費ではなく、固定費から! これが王道です。

王道の家計見直しパターンを次項より費目別にまとめていきたいと思います。
気になる支出があれば、読んで終わりではなく、すぐに実践してくださいね。

 

まず固定費、次に準固定費の順で家計を見直そう

一般的に、持ち家でも賃貸でも、家計支出の中で大きな割合を占めるのが「住居費」です。

住宅ローンを借りっぱなしの人や、何年も同じ部屋を借りて暮らしている人。
コラムをお読みいただくあなたはどうでしょう?

金利は生モノです。家を買ったときと今では住宅ローン融資金利が大きく異なっていることがあります。住宅雑誌を立ち読みでチェックするなどして、金利動向をまず確認してみましょう!

住宅ローンを借り入れしたとき、属性などが影響されて最優遇金利で住宅ローンを組めなかった人もいるかもしれません。でももしかすると、現在のお勤め先・勤務年数などから、より低利の住宅ローンに借り換えることができるかもしれません。インターネットで仮審査など具体的に行動を起こしてみませんか?

お気に入りの今のお部屋、なかなか手放したく人もいるかもしれませんね。
でも住み替えだけが「住居費」を下げる手段ではありません。契約更新をする前に、近隣の家賃を確認してみましょう!
なかには、同じマンション内でより安い賃料で募集をしている物件があるかもしれません。そのことを大家さんに伝えて家賃交渉するというのも一案です。

駐車場を借りている人も同様です。近隣相場をチェックして、車の使用頻度によってはより安い駐車場に借り換えることもできるのではないでしょうか。

「住居費」のような大きな固定費の見直しは、審査書類を準備したり、場合によっては金融機関の相談窓口まで足を運ばなければいけないことも。たいへん手間がかかります。ただ、それだけの価値があると筆者は考えます。

まずは、大きな固定費からぜひ見直してみてください。

それらの見直しが終わったら、続いて、何年も同程度のお金を支払い続けることの多い、「生命保険料・火災保険料・自動車保険料」、「光熱費」や「通信費」を順に見直していきます。

生命保険は解約&新規契約だけが保険の見直しではない!

生命保険の見直しイコール家計の見直し、といったイメージがありますが、保険の見直しにもいろいろあります。保険の見直しというと、一般的には加入中の生命保険を解約して別の新しい保険に入り直す人が多いように感じていますが、それだけとは限りません。

世帯全体で必要な保障を考え、保険を見直していただくのがベストではありますが、お子様の成長や独立により高額な死亡保障が不要になった人が、簡単に保障を減らす方法もあります。
たとえば、加入中の定期付終身保険の特約を整理する定期保険特約を減額する方法などです。お子様の誕生からずっと生命保険の見直しをしていない40代50代の世帯主の方は、この2つを実践するだけでも、毎月の支払い保険料は下がると思います。

また、逆に、最近お子様が生まれた世帯で死亡保障を増やしたいときも、職場の団体保険や共済加入で一時的に死亡保障を増やす方法も場合によっては“あり”だと思います。
万一のことは考えにくいのですが、「忙しいから見直しはいずれ……」と遺族保障の見直しをしないまま今あなたの身に何かあったら、きっと後悔するのではないでしょうか。
多少いびつでも、今できることを今やっておきましょう。

また加入中の保障を活かした保険の見直しは、持病を持っていて新規契約が難しい人でも可能です。「どうせ新しい保険には入れないから」と考えずに、高額療養費など社会保障制度の確認を含め、定期的に情報収集、見直しをおすすめします。

免許取得やセカンドカー購入。自動車保険も一緒に見直そう

たとえば、高校生や大学生のお子様が春休みに合宿免許で免許を取得した、保育園入園で妻用にセカンドカーを購入した。そんなときに、みなさんならどうしますか?

既存の自動車保険の特約部分をちょっと見直して契約し直すのではなく、抜本的に見直してみることを筆者はおすすめします。

生命保険の見直しは随分世に知られてきた感がありますが、自動車保険や火災保険など損害保険の見直しはまだ一般的ではない気がしています。

損害保険もある意味で一種の金融商品です。日進月歩で様変わりしています。
他社にはない親の年齢に合わせた子ども補償特約 や貸与されたカーナビで事故時の自動通報 が可能になるなどの新たなサービスも生まれています。また、インターネット割引やセカンドカー割引などの特典内容も保険会社によって異なります。

既存契約のままなんとなく継続……ではなく、より良い補償をより安く契約できないか、何社か比較検討して契約を決める。運転する可能性がある家族が変われば、忘れずにセットで自動車保険も見直す! ぜひ習慣化してくださいね。

また、保険間の保障の“かぶり”も意識して見直してみましょう。

一時期、子どもの自転車事故への備えとして注目された、個人賠償責任保険(特約)。
これなども、子ども共済や自動車保険、火災保険の特約として途中付加することが可能です。すでに自動車保険の特約として補償を買っているにもかかわらず、他の保険で特約を付けたりしていませんか?

あるいは、独身時代から加入していた個人年金保険の入院特約を外さないまま、医療保険に加入してはいないでしょうか?

さまざまな特約を付加している人はとくに保障の重複に要注意です!
特約保険料はそれぞれ月に数百円かもしれませんが、家計支出を抑えるには、こうした地道な努力も大事です。

 

電気代や通信費をこまめに見直す人=「お金が貯まる人」

住居費や保険など固定費の見直しが進んできたら、次は準固定費です。
毎月支払っている電気料金や水道料金などの光熱費。もしかしたら、「こんなものだ」と惰性で考えてはいませんか?

電力やガスの自由化。ニュースも少なくなってはいますが、実施からもう何年も経過しています。新生活を前にした今頃は、乗り換えキャンペーンが盛んに行われる時期でもあります。この機にぜひ比較・検討してみましょう!

試しに「電気料金 比較」、「通信費 比較」などの言葉でインターネット検索してみてください。比較サイトが複数出てきます。

電気料金の比較サイトには、お客様番号や郵便番号、生活スタイルアンケートなどに答えると、その人に合った見直しプランを提案してくれるサイトがあります。
共働き世帯に向いたプラン(昼間の電気料金単価は高め、夜間のそれは安い)、基本料金がなく使った分だけ支払う単身者に向いたプランなど、今の自分のくらしに合った内容を選ぶことで年間数千円支出が抑えられるかもしれません。

通信プランについても、春はキャリア乗り換えや新規契約キャンペーンが盛んな時期です。ご存知の通り、大手通信キャリアを含めて魅力的なプランが多数発表されていますよね。
このコラムを読んだら、さっそく情報収集してみましょう!

やや話がずれますが、筆者の家計相談では、書き出していただいた相談者世帯の支出費目ひとつひとつをご相談者と一緒に点検し、見直し方法をアドバイスすることがよくあります。光熱費や通信費の見直しに欠かせないのが、こうした電気料金プランや通信プラン(格安SIM)の比較サイトです。

こうした家計改善に役立つサイトをご紹介した後のご相談者の行動。当然ながら、筆者も大いに気がかりです。初回面談後の相談者の行動をかなり重視しているからです。

その理由はというと、あくまで体感値ですが、「すぐ行動できる人」ほど、より早い家計改善が実現できているからです。

過去のご相談者の例を引くと、初回面談の帰り道に通信キャリア会社に電話して、使っていないタブレット端末の契約解除をすすめた人がいましたが、その後の家計改善もやはりハイスピードでした。

こうした比較サイトを知った後に、「あぁ我が家も電気代を見直さなきゃ」で終わるのか、実際に最適プランの検討を進め、契約会社を変えるところまでいくのか……みなさんは、どちらでしょう?

すぐ動ける人は家計改善ができる人、お金の貯まる人。
「やるなら今!」です。

まとめ

家計の見直しには「聖域」も「終わり」もありません!
とは言え、いつもお金のことを気にかけるのはストレスです。だったら、年度の切り替えや家族の独立や同居、転職や転居などの節目で定期的に見直す。こうしたやり方で定期的に家計を振り返るようにしてみませんか。

新入園や新入学シーズンの4月は、生活スタイルが切り替わる節目の季節でもあります。
なにかと忙しい時期ではありますが、手帳に「○○費を見直す!」などメモしておき、忘れないようにしてくださいね。

 

海老原 政子
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト

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