お子さまがある程度大きくなってくると、「いつからお小遣いを渡せばいいか?」「もっとお金を大切に使ってほしい」など、新たな悩みも生まれてきます。
最近では、春休みや夏休みなどを利用した子ども向けのマネーセミナーを企画・運営している金融機関や企業が増えてきました。子どもに対して、お金の価値や使い方など、お金に対する知識が必要と考えている親御さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「お子さまへのマネー教育」をテーマに、暮らしの中で「大切にお金をあつかうことの意義」についてまとめてみました。
買い物で品物を選ぶときや代金の支払い・おつりの受け取りの動作を通じてお子さまに伝えられることは案外多いもの。とかくお金の話はタブー視されやすいのですが、いずれ巣立ちゆくお子さまにとって、お金のことは避けては通れない道です。
ほんの少し、マネー教育を意識して暮らしてみませんか?
きっとお子さまとの会話も違ってくると思いますよ。
目次
お金の価値観は親から受け継がれることが多い
宵越しの銭は持たない江戸っ子ほどではないにしろ、やたら気前がいい人のいる一方で、十分な金融資産があっても老後生活が不安で仕方がない人もいます。また、住宅ローンという“借金”がイヤで、過剰に思えるほど繰り上げ返済をする人もいれば、「来月のお給料で返せばいいや」と気軽にカードローンを利用する人もいます。
それが子にとって反面教師になる場合もありますし、親を見習って「大人になったら私も○○しよう!」と思うかもしれません。借金を是とするか否か含め、親のお金に対する思い・使い方を子どもはしっかり見ています。
「女性がそんなに稼がなくてもいいんじゃないか」「お金持ちは汚い。怪しいことをしているはず……」など、お金を稼ぐことや資産家に対する考え方も同様です。自分の実体験というより、親譲りの部分があるのではないでしょうか。
逆にとらえれば、親となったあなたが何気なくわが子にみせている買い物時の行動やお金持ちへの言動、こちらが大切なのです。お子さまのお金に対する考え方に大きな影響を与えるからです。
マネー教育って何?いつからはじめればいいの?
「マネー教育」というと何か特別な教育と思われがちですが、毎日の暮らしそのものがマネー教育の場と言えます。普段のお買い物しかり、お小遣いやプレゼント交換しかりです。
ただ、マネー教育は学校教育とは異なり、何歳からと一律で決めることはできません。なぜなら、子どもの興味関心が伴わないと、親がいくらお金の大切さを伝えようとしても効果が薄いからです。
お子さまが一緒に買い物に行けるようになったときや、絵本やおもちゃなど欲しいものができたときなど、買い物やお金のやり取りに目が向くようになったときを待ってスタートすることをおすすめします。
お金の大切さをわかってもらうために何をすべき?
「お金は大事なんだ」「生きていくにはお金が必要だ」など言葉ではなかなか伝わり難いことも、行為で示すことでお子さまにすっと受け取ってもらえるもの。
たとえば、買い物先でお菓子をねだられるまま買うのではなく、予算を決めて選ばせ、お金と品物の価値を理解させるのも一案です。最後にレジで店員さんとお金のやり取りをするとき、お札や小銭を両手で受け取る動作からお金の大切さを伝えることもできるでしょう。また、家で財布の中をあけてお札やレシートを整理する様子をお子さまに見せてもよいと思います。
お金の価値、大切に使うとは何か?
言葉ではなく、普段の買い物やお小遣いの受け渡しなど具体的な所作を通じてお子さまに伝えることを意識してみてくださいね。
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
(「千葉 家計相談」で検索)