住宅購入に向けて資金計画を考える際、どうしても住宅ローンが中心になりがちですが、それ以外に目を向けるべきことがあります。それは、「団体信用生命保険(団信)」です。
「どれも一緒じゃないの」と思われがちな団体信用生命保険ですが、そんなことはありません!今回コラムでは、団体信用生命保険について解説してみました。気になる方はぜひご一読を。
目次
団体信用生命保険とは
住宅ローンを完済するまで、通常何十年もの期間がかかります。住居費(住宅ローン)は、家計支出の大きなパートを占める固定費。でも長い間のどこかで、契約者が交通事故で亡くなるなど住宅ローン返済がままならない状況に陥る可能性もゼロではありません。
住宅ローンの返済に困り持ち家が失われたら、そこで暮らすご家族は大変です!
契約者の万が一に備えるための商品が、「団体信用生命保険(団信)」というわけです。
そもそも団体信用生命保険は、どのような保険なのでしょう。
団体信用生命保険とは、一般的には契約者の死亡(高度障害)時に、住宅ローン残債を契約者に代わって一括で支払う(弁済する)保険のこと。遺族が持ち家を失くさずに済むための遺族保障と言い換えることもできます。
住宅ローン選びは団体信用生命保険選びでもある!?
金融機関から住宅購入資金を借りる場合、多くは団体信用生命保険(団信)に加入すると思います。ただ、金融機関や金利・プランの検討と比較すると後手に回りがちなのではないでしょうか。
低金利が続く中、金融機関は金利以外の差別化が求められており、団体信用生命保険に目をつけたようです。金融機関独自の商品を開発するなど保障のバリエーションが広がっています。
金融機関によっては、これまでの保障タイプに加え、より保障の充実した商品も選べるようになってきました。どうせ加入するなら我が家のニーズにマッチした団体信用生命保険がいいですよね。
がんや疾病保障も!団体信用生命保険の今
これまでの団体信用生命保険は、契約者の死亡(高度障害)時に限り残債が弁済されるシンプルな保障でした。しかも、金融機関が団体信用生命保険の保険料を負担する契約が一般的で、住宅ローン契約者のお財布は傷みません。そのため商品選びが後手に回っていたようにも思えます。
ただ最近の団体信用生命保険は、金融機関によって選べる商品が異なり保障内容にも差が出ています。
たとえば、「○大疾病保障付き団体信用生命保険」のように、死亡以外の事由で残債が弁済される商品も。がんと診断されたら残債(の半分)が弁済される「がん保障特約付き団体信用生命保険(がん団信)」等さまざまな種類があります。
健康状態に不安をお持ちの方向けに告知事項が緩やかなワイド団信を選べる金融機関も増えてきました。
疾病保障付きやがん団信の注意点
こうした商品の多くは金利上乗せが伴います。
数値上はわずかなアップに思われがちですが、完済までに追加負担となる金額は相当なものに……。返済負担増と選んだ保障が見合っているかどうか必ず検討しましょう。
また、疾病保障付きの商品を選ぶ場合、「どのような状態になったら(何日間続いたら)」残債が弁済されるのか、詳細を把握することが大切です。
住宅購入資金計画の要となる住宅ローン。
金利・プランの検討とともに団体信用生命保険を賢く選ぶことで、今後の生命保険料の軽減も可能になります。ぜひ合わせて検討してくださいね!
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
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