子育て世代の一大関心事である教育費。銀行預金だけではお金を増やせないため、「ジュニアNISA」を今からはじめるべきか、悩んでいる方がいるかもしれません。「ジュニアNISA」は2023年末をもって終了することが決まっており、今からはじめるメリットが感じられないからだと思われます。
そこで今回は、この「ジュニアNISA」に焦点を当ててみました。今から制度利用をはじめるメリットにも触れています。教育費準備に関心のある人はぜひご一読を!
目次
NISA(ニーサ)制度は3種類
NISA(ニーサ)制度には種類があります。
今回は「ジュニアNISA」の話ですので手短にまとめると、株式も買えて年120万円の非課税投資枠、5年間の非課税期間が魅力的な「一般NISA」、老後資金準備に向き、コツコツ投資信託積立がしやすい「つみたてNISA」、未成年の子に代わり親が資金運用できる「ジュニアNISA」の3種類があります。
いずれも譲渡益などが一定期間非課税になる税制優遇があり、投資の後押しとなる制度と言えます。
過去の制度改正で少しずつ形や種類が変わりましたが、2024年から新NISA制度になり、しくみが大きく変わることが決定しています。「ジュニアNISA」が2023年末でなくなるのもその変化のひとつです。
現行ジュニアNISAのおさらい
現行の「ジュニアNISA」についてまず、おさらいしましょう!
「ジュニアNISA」は、日本に住む未成年者(成年年齢の引き下げで2023年は0歳~17歳に変わります)が口座開設できます。とは言っても、未成年者本人が資産運用を行うわけではありません。口座開設者の親または祖父母(二親等以内の親族)が運用指図を行います。
「ジュニアNISA」の年間の非課税投資枠は80万円。コツコツ買い進めていってもOKですし、まとまった資金で一度に取引を行うのもあり。NISA口座を開く金融機関にもよりますが、さまざまな株式や投資信託の購入が可能です。ただ、非課税投資枠を使い切らなかったとしても、翌年に未使用枠を繰り越すことはできず、年途中の売却で枠が復活することもありません。
ジュニアNISAのメリット・デメリット
「ジュニアNISA」の非課税期間は5年間で、その間の配当金や分配金も当然ながら非課税です。5年経って値上がりした後に売却で得た譲渡益も非課税です。
一般の株式譲渡益には20%超の所得税がかかりますが「ジュニアNISA」は税分の手取りが増えることに。運用益が大きいほどその差は大きく、NISA制度最大のメリットと言えます。
デメリットは、お子様が成長するまでの資金の流動性に乏しいこと。災害など特別な事情がない限り、口座開設者が18歳になるまで(正確には、3月31日時点で18歳である年の前年12月31日まで)払い出しできません。
家計にゆとりをもって運用することが求められます。
2022年、2023年の2年だけ「ジュニアNISA」を利用するメリット
前述のとおり、「ジュニアNISA」には年間80万円もの非課税投資枠があります。仮に、2022年2023年の2年間で上限の80万円まで運用すれば、計160万円の資産運用が可能です。運用した結果、1割値上がったとすれば16万円、2割なら32万円の運用益を非課税でまるっと手にできます(手数料考慮せず)。
メリットはまだあります!
2024年以降、口座開設者年齢しばりの払い出し制限が消えます。いつでも資金の引き出しが可能となるため、ネックだった資金の流動性の乏しさも解消されます。
手元に余剰資金があり、かつ、運用知識があるご家庭なら検討の余地があるのではないでしょうか。
<参考>
■ 金融庁>金融庁の政策>NISA特設ウェブサイト>NISAとは?
■金融庁>金融庁の政策>NISA特設ウェブサイト>NISAとは?>ジュニアNISA>ジュニアNISAの概要
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
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